乙黒桜

更新日:2018年07月06日

 明治から大正にかけて、乙黒の土手の桜は地元はもとより、近隣に名高く「乙黒の花見」と称され、賑やかな花の宴が繰り広げられました。「駒つなぎ」という種類で、若葉と一緒に花が咲く、山桜の系統です。甲府のお城の桜が散って十日ほどしてから咲きはじめるという遅咲きでした。

 桜の名所は、その昔、「乙黒の渡し」があったところです。豊富の浅利との間には橋が無く、船で行き来をしていました。船は4間から5間、およそ8メートルから10メートルで、人ばかりでなく、農馬も荷車も乗せて渡りました。船頭は浅瀬に気をつけながら、竹竿出船を操り、少しずつ川下に流されながら、向こう岸に辿り着きました。

住宅街の道路沿いに咲いた乙黒桜。樹木全体に満開の白い花弁が咲いており、樹木自体もとても大きく二階建ての民家ほどもあります。

 江戸末期には廻船問屋があり、年貢米が鰍沢を経て静岡の清水まで運搬されていたので、乙黒の浜はずいぶん賑わいました。乙黒桜は、この土手の強度を高め、洪水を防ぐ為に植えられたもので、並木は甲府市大津まで続いていました。

 歴史あるこの乙黒桜は、残念ながら昭和のはじめ、土手の改修工事によってほとんどが伐採され、その後、春になるたびに惜しまれ、語り継がれてきました。何十年という月日が経ち、ふるさとの自然を尊び、守り、玉穂の個性を誇りたいという思いから、乙黒桜を復活させようという呼びかけが起こり、残った数少ない乙黒桜から挿し木などで増やす方法が試されています。

乙黒桜の接写写真。桜の花がとても大きく映し出されており、白い五弁の花びらがきれいに映っています。
乙黒桜の写真。木の根本から大きく枝が広がっており、樹木全体に花が咲いています。

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