子育てインタビュー vol.4 篠原ますみさん

子育てインタビュー第4回は篠原ますみさん。
令和4年4月にオープンした「中央市子育て支援センターしん☆ちび」のセンター長にお話を伺いました。


 

プロフィール

篠原ますみ(しのはら ますみ)

中央市子育て支援センターしん☆ちび センター長
NPO法人ちびっこはうす 理事
以前は、「韮崎市子育て支援センター にら★ちび」に管理者として勤務。
その後、令和4年4月より現職。

趣味は、美術館巡りやその土地のおいしいものを食べること、休日は主に読書をしたり、のんびり自宅で過ごしている。

私自身が、子育て支援センターに助けられました

―子育て支援に携わることになったきっかけは?

初めは、⼦どもが通う幼稚園のお⺟さん仲間に誘われて⼀緒にボランティアを始めました。そのボランティアがこのセンターを管理しているNPO法⼈「ちびっこはうす」でした。ボランティア活動はすごく楽しくて、そのうちにNPOの活動にスタッフとして携わることになって…。気がついたら、「中央市⼦育て⽀援センターしん☆ちび」のセンター⻑になっていました(笑)

ちょうど私が⼦育てを始めた頃に、「⼦育て⽀援センター」という場所が少しずつ増えてきていました。子どもと一緒にいる時間はかけがえのないはずなのに、どうしようもなく辛くて悩んで…。泣きながら近くの子育て支援センターに駆け込んだこともありました。そこで出会った⼦育て仲間や先生と関わることで、私自身、とても救われたんです。その時の経験が、子育て支援に携わるモチベーションになっていると思います。

出産を機に仕事はやめてしまっていたのですが、今、このように仕事として携わっていくことになるとは想像もしていませんでした。

アフリカのことわざ「子どもを一人育てるのに村が一つ必要だ」

センター長インタビュー5

―子育て支援センターの役割はどのようなことと考えていますか?

近年、⼦育て家庭を取り巻く状況は変わってきているという印象があります。特に、地域で⼦育てを⽀える⼒が弱くなってきていて、これは中央市に限らず、全国的な共通課題となっています。その理由はいくつかあります。まず、漫画の「サザエさん」のような多世代家族から核家族が増えてきたということ。また、地⽅より都会の⽅が仕事が多いとか、転勤家庭が増えたなど、仕事の形態の変化もあります。それに伴って、価値観も⼤きく変化しました。それと、⼦育て世代の母親の就業率が上がってきていて、国で調査した結果では75.9%と以前より⾼い割合になってきているそうです。そうなると地域とつながりがないまま、子どもが小さいうちに仕事に復帰することになります。つまり、住んでいるところで⼦育てを誰かに頼るきっかけが無いまま、⼦育てがスタートしてしまう…。そんな状況が、⼦育てをしていく中での孤独や不安をつくりだす一因になっているのではないかと思います。

⼦育てに関するアフリカのことわざで、「⼦どもを⼀⼈育てるには村が⼀つ必要だ」という⾔葉があります。その⾔葉が表すように⼦どもが育っていくには、みんなの⼒が必要なんですね。でも現状はその⼒が弱くなってきています。

そこで私たちの役割はなにかというと、『地域の人みんなで子育てを支える環境作り』だと思っています。専⾨⽤語では「共同養育(Coparenting)」(養育のために協⼒する複数の者が共同して⾏う養育)と⾔われています。子育てしているみなさんを、同じように⼦育てをしている仲間や、地域の⼈と繋げたりすることで、不安や孤独を和らげ、地域で生き生きと子育てできるようにサポートする。この「共同養育」の仕組みづくりが⼦育て⽀援センターの役割だと思っています。

 

その人が持っている「子どもを育む力」に寄り添う

センター長インタビュー2

―多くの子どもや親御さんたちに関わっていくことで大切にしていることは何ですか?

保護者の⽅は⼦育てのリーダーで、私たちは陰でそっと支えるフォロワーだと思っています。⼦育てに正解や不正解はないと個人的には感じています。迷って思い悩むこともありますし、ちょっと子育ての先輩である私たちからみると、正直、ハラハラしてしまうようなこともあります。でもそれは、お父さん、お母さんが我が子の事を思って⼀⽣懸命考えた結果です。私たちはその⼈が本来持っている「子どもを育む力」を尊重して寄り添って、⼀緒に考えていくことを⼤切にしています。

また、センターにはたくさんの保護者の方が集うのですが、集団の中だからこそ感じてしまう孤独もあります。集団の中に⼊るのが苦手、他の人の子育てがキラキラしているように見えてしまう…。そうした寂しさを感じさせないよう、どんな方にも居心地よく安心して過ごせてもらえるよう心がけています。

「自然」が多いことが子育て環境としては強み

センター長インタビュー3

―中央市の子育て環境や、その魅力はどんなところですか?

たくさんありますよ。私は市外から通ってきていますが、中央市は⼭梨県の真ん中にあるので、開放感があると思います。周りは⼭ですが、広々としていて、清々しい場所という印象です。とにかく空が広くて気持ちがいい!と感じます。

「⾃然」が多いことが⼦育て環境としては強みですね。⽣活のすぐ近くに⾃然があって、少し⾜を延ばすとさらに深い⾃然が広がっている。それと私的に感じているのは、中央市は⼈⼝が3万⼈ちょっとなので、⼦育て家庭に⽬が届きやすいようにも思います。根拠のない勝手な私感なのですが…(笑)

子育て家庭に向ける目を持つための種まきをしたい

センター長インタビュー4

―今後の子育て支援センターの目標や理想像は何ですか?

⼦育て⽀援センターというと『⼦どもを連れて利用するところ』という印象がありますが、ぜひ、おなかに⾚ちゃんがいるときからどんどん利⽤して親しんでもらいたいと思っています。そうすることで、赤ちゃんが生まれてからの生活への想像がつきやすくなったり、何より様々な人と関わりながら子育てをスタートできるきっかけになるからです。

また、地域の⼦育て支援に関心がある方にも、関わってほしいという願いから、⼦育てボランティアを養成しています。実際に活動していただいている⽅は現在8名くらいいます。それと、これからお⽗さん、お⺟さんになる選択肢を持っている学生の皆さんにもアプローチして、若い世代にも、⼦育て家庭に向ける⽬を持つための種まきをしたいと思っています。

センターに関わることで、⾃分の住んでいる地域の⼦育て家庭に⽬が向いて、「元気にしてる?」「大きくなったね」そんな些細な声かけが、地域で子育てをサポートしていくということに繋がっていったらいいなと思います。

そのためのきっかけ作りが、しん☆ちびの今後の大きな目標です。

 

 

 

最後に子育て中のお父さん、お母さんに向けてメッセージを!

先ほども話しましたが、⼦育てに正解や不正解はないと私⾃⾝は思っています。ここには専門の研修を受けたスタッフがいますので、気づきがあればアドバイスをさせていただくこともありますが、基本的にはお⽗さん、お⺟さんの思いに寄り添ってそれぞれが持っている「子どもを育む力」をフォローしていきたいと思っています。

皆さん本当に⼀⽣懸命で、思い悩んだり、子どもへの想いを話してくれる姿を⾒ていると、ぎゅっと抱きしめてあげたい気持ちになります。

また、センターには、お孫さんを預かっているというおじいちゃんやおばあちゃんもたくさん利用していただいています。

様々な立場の方の子育てへの思いや悩みを受け止め、楽しいことや喜びを分かち合う場になることで、子どもはもちろん、親としての成長を一緒に喜びあえる…しん☆ちびは、そんな場所です! ですから、ぜひ、『中央市子育て支援センターしん☆ちび』に遊びに来てください。スタッフ一同、お待ちしています。

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