子育てインタビュー vol.3 中村多恵子さん

子育てインタビュー第三回は中村多恵子さん。
毎日たくさんの園児とふれあっている保育のプロたえこ先生からお話しを伺いました。子育て奮闘中のママたち、ぜひ参考にしてください!


 

プロフィール

中村 多恵子(なかむらたえこ)

幼保連携型認定こども園「みかさこども園」園長。
昭和55年田富みかさ幼稚園開園当初から幼児教育に携わり、園は今年で創立40年目を迎える。
平成23年にはみかさ保育園を開園し、保育(養護)と教育の一体化を図り充実した子育て支援を行っている。
趣味は、生け花と習字。休日は自分の時間を持つように心がけている。

 

 

中央市の魅力って、いっぱい足元に溢れていますよね

 

―子育てをするうえでの中央市の魅力って何ですか?

好きなところは自然が豊かなところですね。周囲の風景は年々変わってきていますが、幼い頃から親しんでいるこの自然が私の心落ち着く原風景です。結婚して10年ほど幼稚園教諭として都会におりましたが、その後、再びこの地で現在の仕事を続けています。仕事を通して多くの人と関わることができ、素敵な出会いがたくさんありました。地域の人の優しさや温かさに支えていただくことがたくさんあります。その関わりがとても嬉しく、私の大切な心の財産として明日に繋がっています。

 

子育ては今しかできない、やり直しができないんです

なかm

―最近のお母さんたちの子育てについて感じることはありますか。また、実際の現場ではどうですか。

昨今は子育てがしにくい時代とも言われていますが、うちの園ではできるだけ家族を巻き込んで保護者も一緒に活動に参加してもらい、楽しさを共有できる行事をたくさん取り入れています。そうすることで、子どもの笑顔や喜びに湧く姿を身近で見られ、親も一緒に子育てや保育教育の楽しさを実感できます。

子育て中のお母さんたちは、慌ただしく時間に追われていると思います。忙しさが先行してしまうとイライラが募って、親の都合に子どもを合わせることになってしまうんですよね。

そんな中で“子どもが自己肯定感を持てるような言葉がけ゛をしていますかと思うことがいっぱいありますね。失敗してもあきらめずに「もう一回やってみる?」「ママと一緒にやってみようか!」って自信につながるように最後まで付き合ってあげてほしいなと思います。

それから、“一貫性を持ったしつけや言葉がけ゛をしていますかと感じます。今日良かったことが、明日になったらダメよというようなことだと、子どもはわがままになったり親の顔色を見るようになってしまいます。夫婦で統一した言葉がけをするといいと思います。

あとは、わが子を正しくしっかりと理解していますかということですね。子どものいいところをたくさん見つけて「ママはこういうところが大好きだよ」と伝えてあげてほしいです。直したいところはその都度言葉を添えながら、親子で一緒に直していくといいと思います。

それから最近感じることは、お母さんの一日の生活リズムがうまくできているかなということですね。例えば帰宅後の子どもとの関わりも、時間の使い方をうまくすると本が1冊読めて子どもは安心して眠りについたり、親子間がスムーズにいくと思うんです。わが子の寝顔に愛しさを一層感じるひと時だと思います。子どもに大切なことは、正しい生活リズムの中でしっかりと睡眠をとって、早寝早起きと朝ごはんをとることです。お腹がすいていると活動に集中できず、やる気が失せて元気が出ませんので、それを一番徹底してもらいたいと思います。子どもの行動が待てずについ手を貸してしまうことも、みなさんあると思うんです。だけど、子どもにもやらせてみて、できなくても少し待つくらいのゆとりがお母さんの中にあるといいですよね。そういう時間的なこともお母さんの中でうまく調整していくといいかなと思います。

友達づくりや情報の交換、共有をするのには、親子で色々なサークルや図書館、公園に出かけるといいと思います。お母さんも周囲の子どもを見ることで“子どもってこうなんだ″とわが子の新たな気づきや発見がありますよね。2歳を過ぎると外への興味が一層強くなって社会性が徐々に育ってきますので、その都度良い悪いをわかるように教えることが大切です。そして、お母さん自身も子育てについて気軽に話し合える友達づくりができると楽しく子育てができると思います。

みかさこども園園舎

―お母さんの気持ちに余裕がなくてお子さんをきつく叱ってしまった時、そのあとのフォローはどうすればいいのでしょうか。

私自身を振り返ってみても“あの時、ああしてあげれば良かった・・・耳を傾けてあげれば良かった・・・″と、忙しさを理由にしてはいけませんがそういう反省があります。

ひと呼吸してから、また、時間をおいてから、なぜママが叱ったのかを子どもと一緒に考えたいですよね。そして、行き過ぎた時は素直に子どもに「ごめんね」が言えるといいですね。子どもは親を真似ながら大きくなっていくように思いますので、わが子との心の絆を大切にしてください。

 

この感動を子どもと一緒に味わうことができるのは、この仕事の素晴らしさであり、私自身の幸せだと感じています

園児との写真

―先生はこの園でたくさんの子どもたちの成長していく過程に携わっていますが、大切にしていることはありますか。

大勢の子ども達と出会う中で、一人一人の育ちは違うということを理解しないといけないと感じます。家庭環境はみんな違うし、小さい時の誕生月の違いや兄弟のいる子といない子でも違う。そういう子ども達の経験差をよく理解しながら、私自身も一緒に保育に参加しています。

それから、コミュニケーションを取りながら会話を膨らませていくと、子どもは家でのことを話したくて、聞いてほしくて仕方がないんです。そういうことが、子どもや家庭への理解にも繋がるので、子どもとのコミュニケーションを大切にしています。

子どもの輝きや色々な声を聴くことができて、私自身も子どもと一緒に育っていく楽しさがたくさんありますね。子どもと共有し共感しながら、一緒に生活していることの意義を毎日大切にしたいなと思います。

 

中村多恵子写真

―最後に子育て中のお母さんにメッセージを!

多くのお母さんが時間に追われて、日々の子どもの声や生活態度の変化に気付かないで流されていることはないでしょうか。子どもが主役でなく、大人が主役の生活になっていませんか。抱っこをしたりおんぶをしたりすることのできる乳幼児期こそ、長い人生の中で親も子も最高に幸せな瞬間だと思います。乳幼児期にしかできない親子の関わりを存分に味わい、大切にしてください。子育ては大変な苦労もありますが、子どもの笑顔が家族にたくさんの感動や幸せをもたらせてくれます。子どもの笑顔は親にとって幸せの原点だと思います。一緒に頑張りましょう。

 

 

 

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