中沢正隆博士が2023 Japan Prize(日本国際賞)を共同受賞されました

中央市出身の中沢正隆博士(東北大学 卓越教授・特任教授)が萩本和男氏(国立研究開発法人情報通信研究機構 主席研究員)とともに、国際的に権威のある賞の「2023 Japan Prize(日本国際賞)」を共同受賞されました。

中沢博士、Japan Prize受賞の快挙、本当におめでとうございます。​​​​

 

2023 Japan Prize(日本国際賞)受賞者「エレクトロニクス、情報、通信」分野(外部ページ)

 

中沢正隆博士

中沢正隆 博士

萩本和男氏

萩本和男 氏

Japan Prize授賞式が行われました

中沢正隆 博士

写真提供:(公財)国際科学技術財団

Japan Prize(日本国際賞)の授賞式が令和5年4月13日(木曜日)、東京都・帝国ホテルで行われ、賞状、賞牌などが授与されました。​​​​​​

中沢正隆博士は、「我々が開発したEDFAと呼ばれる装置は、光ファイバの中で減衰した光を、光のまま増幅する装置であり、高速大容量、低雑音などの特徴があり、これによりグローバルなICTのネットワークが実現したといっても過言ではないと思っています。今日ではこの装置が光通信だけでなく、ファイバレーザー、光計測といった様々な分野に用いられうれしく思います。私を支えてくれている家族、先輩方、一緒に実験をしてくれた若手の先生方、学生諸君に感謝いたします。ありがとうございました。」と喜びを語られました。

授賞式には、天皇皇后両陛下も出席され、「受賞された皆さんの研究は、様々な科学技術の発展や人類の健康の促進に大きく貢献するものであり、ここに深く敬意を表します。」と、おことばを述べられました。

Japan Prize(日本国際賞)とは

Japan Prizeとは「世界の科学技術の発展に資するため、国際的に権威のある賞を設けたい」との政府の構想に民間からの寄付を基に設立され、1983年に実現された賞です。

この賞の授賞対象は全世界の科学技術者で、独創的で飛躍的な成果を挙げ、科学技術の進捗に大きく寄与し、もって人類の平和と繁栄に著しく貢献したと認められる人に贈られます。

授賞対象分野は科学技術の全分野が対象になっていて、科学技術の動向などを勘案して、毎年2つの分野を指定し、受賞者が選定されます。

受賞者には賞状、賞牌および賞金が贈られます。授賞式には天皇皇后両陛下が毎回ご臨席、三権の長(衆議院議長・参議院議長、内閣総理大臣(首相)、最高裁判所長官)をはじめ関係大臣と各回の代表のご出席を得、挙行されます。

授賞対象分野

エレクトロニクス、情報、通信

授賞業績

「半導体レーザー励気光増幅器の開発を中心とする光ファイバ網の長距離大容量化への顕著な貢献」

研究概要

中沢正隆博士と萩本和男氏の研究は、多くの情報を高速で遠くまで送ることができる「光通信システム」を支えるものです。

1980年代、中沢博士と萩本氏は、当時、遠距離の光通信システムの実現に必要不可欠であるにも関わらず実用化が難しいとされていた「小型・高効率・広帯域の光増幅器」を、「エルビウム添加 ファイバ 」と「 InGaAsP 半導体レーザー」を組み合わせることによって実現されました。

それからわずか5年ほどで、この光増幅器を搭載した中継器が、太平洋・大西洋横断海底光ケーブルをはじめ世界を結ぶ幹線系長距離伝送網に採用されました。当時の光通信システムの実用化を飛躍的に進展させるとともに、現在に至るまでこの技術を基礎として光通信システムの発展が続いています。

両氏が開発した光増幅器によって、世界中のインターネット上で利用する情報リソースの多様化・大容量化が可能となり、爆発的な普及の後押しとなりました。
その結果、高速大容量な光通信システムが低価格で提供されるようになり、私たちが普段日常生活で広く利用しているメールやSNSであったり、インターネットを利用して大量のデータを保持できるクラウドサービスなどの飛躍的拡大を可能にしたとも言えます。

両氏の長年の研究により、現代社会では必要不可欠なグローバルなインターネット社会を支える根幹技術である「長距離・大容量光データ通信」の道を拓かれました。

中沢正隆博士のプロフィール

1952年9月17日生まれ。中央市木原(旧豊富村)出身。
物理学者。金沢大学を卒業し、東京工業大学大学院を経て、電電公社(現NTT)に就職。現在は東北大学災害科国際研究所特任教授などを務めています。

令和3年2月21日に中央市市民栄誉賞を受賞されました。

※中央市市民栄誉賞についてはこちらをご覧ください。

望月智中央市長よりメッセージ

R5市長挨拶写真

この度、中央市出身の中沢正隆様が「2023 Japan Prize(日本国際賞)」を共同受賞されましたこと、心よりお祝い申し上げます。長年にわたり研究にご尽力された中沢様の功績が認められ、本市にとっても大変名誉なことでございます。

中沢様並びに萩本様が開発されました「小型・効率化・広帯域の光増幅器」は、現在のグローバルなインターネット社会を支える根幹技術である「長距離・大容量光データ通信」の道を拓き、今や私たちの生活に欠かすことのできないものとなっております。
今回のJapan Prize受賞は、日本のみならず世界に大きな影響を与えるものであり、わが国の発展に多大な貢献をなすものと思います。今後とも中沢様がご健康に留意され世界のために貢献されることを期待いたします。

令和3年2月に、市制施行15周年式典において、中沢様より「中央市に住んでいた頃の思い出やコロナ禍における中央市の今後の展望」などのビデオメッセージをいただきました。

今後も中央市では、中沢様のような素晴らしい研究者が育つ教育環境の充実に力を尽くしていきたいと思っています。

結びに中沢様の受賞をお祝い申し上げるとともに、中沢様のご健勝とますますのご発展をお祈り申し上げ、挨拶とさせていただきます。

この記事に関するお問い合わせ先

政策秘書課 秘書・広聴広報担当
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