木造聖観音及び諸尊像(大福寺)[県指定]

秘仏の木造聖観音立像

【木造聖観音立像】(秘仏)

膝から下を切り詰められていますが、像高は355センチメートルもあります。像の様子と大きさの近い菩薩立像との比較から、当初は5メートルを超える像高だったと推定され、地方においては、非常に珍しい巨像であったと思われます。両腕も後代に補われており本来の姿は損なわれていますが、巨大な体つきと迫力のある顔かたちは、重々しく立派です。

その姿を拝めるのは33年に1度だけの秘仏です。

制作は10世紀末と考えられ、大福寺の諸尊像の中で最も古い像です。

聖観音菩薩立像の写真

【木造聖観音立像】

秘仏の聖観音像の納められている扉の前に立っていることから「前立ち観音」と呼ばれます。体の中心線で左右に二つの材をはり合せる寄木造りで、像の内部を空洞とする内刳(うちぐり)を施しています。背板、左右肘以下、両足先、台座は後補で、像高は169センチメートルです。

ふっくらとした顔立ちや浅く繊細な衣の表現が、平安時代末期の特徴をよく表しており、制作は12世紀末頃と考えられています。

木造毘沙門天立像

【木造毘沙門天立像】(多聞天)

頭部は髻(もとどり)を結い、花形の冠(かんむり)をつけ、甲(よろい)をつける武将の姿をしています。左手は屈臂(くっぴ)して宝塔を持ち、右手を振り上げて鉾(ほこ)を持ちます。右足をやや踏み上げて邪鬼の上に立っている姿は威厳たっぷりです。像高は100センチメートル。

制作は11世紀後半頃と考えられています。

木造不動明王立像

【木造不動明王立像】

寄木造で、像高97.5センチメートル。左手に羂索(けんさく)を持ち、岩座の上に立っています。像表面は泥下地にベンガラが施され、表情、肉付けとも力感にあふれています。制作は11世紀後半頃と考えられています。

木造不動明王立像

【木造不動明王立像】

寄木造で、像高100センチメートル。両足先以下、持物、台座がありません。動きのない肥満気味のスタイルで、衣文の形式なども優しく、薄手で躍動感に欠けています。制作時期は12世紀末頃と考えられています。

秘仏の聖観音立像の次回の御開帳は2025年の予定です。

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住所 山梨県中央市大鳥居1621

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