粘土節 [市指定]
粘土節は、山梨県釜無川流域の堤防工事に従事した男女の間に歌い継がれた作業歌です。粘土節の伝わる旧田富町は、甲府盆地の最南端、最低地部に位置し、釜無川と笛吹川という二大河川の水がロート状に集められ合流するため、度々氾濫を起こしていました。
特に明治11年からは毎年のように洪水が起きたため、最も破損個所の多かった釜無川堤防の改修工事が内務省直轄工事として明治20年から施行されることになりました。
7年の歳月をかけて現在の堤防が完成しましたが、杵と平打ちで堤の粘土を打ち固める単調な作業を繰り返しているうちに誰彼の区別なく田の草取り歌や盆歌が歌われ、それが杵と調子が合うようになり粘土節になったといわれます。
その工事の中で、歌声も杵を打ち下ろす姿もひときわ美しかったのが、旧小井川村山之神の「お高やん」でした。お高やんは、明治3年生まれで、当時18歳の娘盛り、そのあまい艶のある美声は、杵や平打ちの粘土搗き作業とよく調子が合い、作業は驚くほどはかどったといいます。次第に当のお高やんが歌詞にも登場するようになり、現在の粘土節に至ったようです。
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住所 山梨県中央市臼井阿原1740(粘土節保存碑)
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