統一的な基準による財務書類

  • 統一的な基準とは

地方公共団体における予算・決算に係る会計制度は、現金収支を議会の民主的統制下に置くことで、予算の適正・確実な執行を図るという観点から、確定性・客観性・透明性に優れた単式簿記による現金主義会計を採用しています。

しかし、単式簿記・現金主義会計では、これまで整備してきた建物や道路などの資産や、これらを整備するために借り入れた地方債などの負債の状況を把握することが難しいという弱点がありました。

この弱点を補完する手段として、複式簿記・発生主義を採用した統一的な公会計基準が総務省より示され、中央市では平成29年度よりこの基準に基づいた財務書類を作成・公表しています。


  • 財務書類とは 

 財務書類とは、統一的な基準に基づき作成される書類であり、次の4表を総称した書類です。

○貸借対照表(BS)

年度末である3月31日時点における市の財政状況を表した書類です。表は資産項目を表した借方と負債及び純資産を表した貸方で構成され、借方・貸方の合計額が一致することからバランスシート(BS)とも呼ばれています。

借方に記載する資産は住民の財産であり、将来世代に引き継ぐ社会資本や債務返済財源等で構成されています。

貸方に記載する負債は、将来、支払い義務の履行により市から資金流出をもたらすもので、地方債や退職手当引当金等で構成されています。

貸方に記載する純資産は、資産と負債の差額により算定されます。

○行政コスト計算書(PL)

1年間(4月1日から3月31日)の行政活動のうち、公共施設の運営経費や社会保障給付など、資産の形成に結びつかない行政サービスにかかる経費と、行われた行政サービスの対価として得られた収益等の財源を対比させた書類になります。

○純資産変動計算書(NW)

貸借対照表上の純資産(=資産から負債を差し引いた額)が1年間でどのように変動したのかを表す書類になります。

○資金収支計算書(CF)

1年間の現金の流れを性質の異なる3つの区分(「業務活動収支」、「投資活動収支」、「財務活動収支」)に分けて表示した書類になります。

「業務活動収支」には、税収や国県補助金、使用料等を合算した業務収入及び臨時的な収入の合計から、人件費や物件費などの業務支出、社会保障給付などの移転費用支出及び臨時的な支出を差し引いた収支が表示されます。

「投資活動収支」には、公共施設等の取得や売却、基金の積立や取崩し等の収支が表示されます。

「財務活動収支」には、地方債等の元金償還支出や発行による収支が表示されます。


  • 財務書類の関係性

作成した財務書類については、各書類間で以下のような連動制を持っています。財務書類の関係性